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過去のトラウマという便利な言い訳【『嫌われる勇気』1/6】

kotukatu
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過去の経験が今の自分を決めているのか

現代のビジネス環境において、私たちは自らの行動や性格を正当化する際、過去の経験を理由に持ち出すことが極めて多い。過去の大きなプロジェクトで失敗したから新しい挑戦に踏み出せない、かつて厳しい上司のもとで働いたトラウマがあるから意見を主張できないといった具合だ。私たちは複雑で思い通りにならない現状に対して、過去の原因というわかりやすい理由づけを行うことで、今の自分を納得させようとしている。

しかし、過去に何があったかによって現在のすべてが決定されてしまうのであれば、私たちの人生は過去の奴隷であるということになる。過去を変えることができない以上、私たちは永遠に現状の苦しみから抜け出すことはできず、未来を変えるための努力すら無意味なものになってしまう。私たちが感じているその生きづらさは、本当に過去の経験そのものが引き起こしているものなのだろうか。

私たちは感情を捏造して目的を達成する

『嫌われる勇気』著者で哲学者・心理学者の岸見一郎およびライターの古賀史健は、アドラー心理学の観点から、トラウマが現在の行動を決定するという考え方を明確に否定している。アドラー心理学では、過去の原因が現在を作っているという原因論を退け、人間はいかなる過去にも縛られず、現在の目的に沿って行動しているという目的論を採用するからだ。

同氏らによれば、人は過去のトラウマに突き動かされて行動できないのではない。外の世界に出て傷つきたくない、新しい挑戦をして失敗する自分を認めたくないという現在の目的がまず先にあり、その目的を達成するために不安や恐怖という感情を自ら捏造し、過去の経験を言い訳として持ち出してきているのだ。つまり、私たちは過去に支配されているのではなく、変化を避けるという自分自身の目的のために、意図的にトラウマを利用しているに過ぎないのである。

変われないのではなく変わらないと決めている

この目的論の視点に立つと、極めて残酷で、しかし希望に満ちた真実が見えてくる。それは、私たちが今の状況から変われないのは、能力が足りないからでも過去が不幸だったからでもなく、単に自分自身で変わらないという決断を下し続けているからだという事実である。

何か新しい一歩を踏み出すことには、必ず未知のリスクが伴う。現状に不満を抱えていたとしても、このままの自分でいるほうが、これからどうなるかが予測できるため、はるかに楽で安心なのだ。私たちは、勇気を出して新しい生き方を選択する痛みを避けるために、どうせ自分には無理だという言い訳の材料を過去の記憶の中から無意識に探し出しているだけである。変わるための能力が不足しているのではなく、一歩を踏み出す勇気が不足しているだけなのだ。

原因論を捨てて自らの人生を選択できるか

あなたが過去の失敗や他人の言葉を言い訳にして立ち止まっているのは、本当に過去のせいだろうか。それとも、傷つかないための便利な隠れ蓑として過去を利用しているだけではないだろうか。私たちが自分の人生の主導権を取り戻すためには、トラウマという名の甘い現実逃避を完全に捨て去り、今ここから自分がどう生きるかを自ら選び取る強靭なマインドセットが不可欠である。

過去への執着を断ち切り、自らの意志で未来を切り拓くための確かな一歩として、自分の不幸を環境や他人のせいにする反応的な生き方を否定し、自らの選択に百パーセントの責任を持つ主体性を説いた世界的ベストセラー、スティーブン・R・コヴィーの『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』へと手を伸ばしてみてはどうだろうか。あなたはまだ、過去の記憶という架空の鎖に繋がれたまま、変わらないという選択をいつまでも続けるつもりだろうか。

『嫌われる勇気』シリーズ (全6回)

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