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モチベーションに頼るから失敗する【『もっと!』4/6】

kotukatu
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モチベーションという言葉を言い訳にしていないか

ビジネスの現場で新しい目標を立てたとき、私たちはよくモチベーションを高く保とうとか、情熱を持って取り組もうといった言葉を口にする。気合や熱意といった感情のエネルギーこそが、困難な課題を乗り越えるための最強のエンジンであると信じているからだ。タイパを重視し、短期間で成果を出そうと焦るほど、この一時的な高揚感に頼りたくなってしまう。

しかし、このモチベーションという不確かなものに頼る戦略は、極めて脆弱である。最初の数日は徹夜も辞さないほどのやる気に満ち溢れていても、一週間もすればその熱量は信じられないほど急降下し、結局いつも通りの日常に戻ってしまう。私たちは、自分が決めた計画すら最後までやり遂げられない意志の弱さに絶望し、次こそはもっと強い気持ちで挑もうと、再び同じ過ちを繰り返すのだ。

未来を追う物質と実行を司る物質

精神科医のダニエル・Z・リーバーマンとマイケル・E・ロングは、共著『もっと!』の中で、この情熱と挫折のメカニズムを、脳内の化学物質が持つ二つの異なる顔から説明している。この物質には、新しいアイデアや目標に対してもっと欲しいと純粋な熱狂をもたらす「未来を追う物質」と、その目標を現実世界でどうやって手に入れるかを論理的に計算し、計画を遂行する「実行を司る物質」が存在する。

私たちがモチベーションと呼んで頼りにしているのは、実は前者である未来を追う物質の働きに過ぎない。この物質は想像上の未来に熱狂させる力は強いが、きわめて気まぐれであり、長続きしないという致命的な弱点を持っている。ビジネスで成果を出し続けるトップ層は、この不安定な熱狂に自分の行動を委ねるようなギャンブルは決して行わない。彼らが駆使しているのは、後者の実行を司る物質なのである。

感情を切り離し、冷徹なシステムを構築せよ

実行を司る物質は、感情の波に左右されず、目標までの道のりを逆算し、必要なリソースを配分し、淡々とタスクを実行するための冷徹なエンジンの役割を果たす。やる気があるかどうか、気分が乗っているかどうかという個人的な感情を完全に切り離し、ただ目の前の作業を自動的に処理していくためのシステムを構築するのだ。

本当に高い成果を上げるためには、毎朝モチベーションを上げるための動画を見たり、気合を入れ直したりする儀式は必要ない。必要なのは、やる気がゼロの日であっても確実にタスクが前に進むような、強固なルーティンや仕組みを作ることである。未来を追う物質がもたらす一時的な熱狂を卒業し、実行を司る物質を用いた静かなる遂行力へと移行すること。これこそが、プロフェッショナルに求められる真の資質なのだ。

意志の力に頼るという悪習を断てるか

冒頭の問いに戻ろう。あなたが計画を完遂できないのは、意志が弱いからでも才能がないからでもない。単に、賞味期限の短い感情のエネルギーに頼りすぎているからである。私たちが着実に目標を達成するためには、モチベーションという名の幻想を捨て去り、感情に依存しない冷徹なシステムを自らの生活の中に構築しなければならない。

ジェームズ・クリアーによる『複利で伸びる1つの習慣』は、意志の力に頼らずに自分自身を動かすための具体的な知恵を与えてくれる。目標の高さや意志の強さよりも、日々の微小なシステム(習慣)を整えることこそが人生を劇的に変えると証明した一冊だ。あなたはまだ、いつ消えるとも知れない感情という不確かな力に、自らのビジネスと人生を委ね続けるつもりだろうか。

『もっと!』シリーズ (全6回)

目標を達成したのに虚しい理由【『もっと!』1/6】
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新しいアイデアばかり探していないか【『もっと!』2/6】
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手に入れた瞬間に情熱が冷める理由【『もっと!』3/6】
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