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娘への愛は「拒絶」で証明せよ。コヴィー博士が教えるトレードオフの真実【『エッセンシャル思考』3/6】

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八方美人という名の病

私たちは皆、どこかで「良い人」でありたいと願っている。誰かの誘いを断れば、相手を傷つけるのではないか、嫌われるのではないか、もう二度と誘われないのではないかと恐れる。そんな恐怖心が、私たちの唇から自動的に「イエス」という言葉を引き出す。まるでパブロフの犬のように。

だが、全ての「イエス」には裏面がある。 経済学には「トレードオフ」という絶対的な法則がある。つまり、誰かのリクエストにイエスと言うことは、同時に他の何か——おそらくもっと重要な何か——に「ノー」と言うことなのだ。 ここに、グレッグ・マキューンの著書『エッセンシャル思考』の真髄を示す、あまりにも有名なエピソードがある。エピソードの主役は『7つの習慣』の著者として知られるスティーブン・R・コヴィーだ。

サンフランシスコでの「事件」

ある日、コヴィーは娘とサンフランシスコで二人きりのデートを楽しむ約束をしていた。観光し、美味しいものを食べ、語り合う。多忙な彼が確保した、聖域のような時間だった。 しかし、デート中に予期せぬ事態が起きる。街で偶然、仕事上の重要な知人(旧友)に出くわしたのだ。その知人はコヴィーとの再会を喜び、熱心に誘ってきた。「奇遇だね! これから最高のシーフードレストランに行こう。もちろん私の奢りだ!」 さて、私たちならどうするだろうか。

普通の「良い人」なら、頭の中で高速計算を始める。「せっかくの誘いだし、無下にするのは失礼だ」「ビジネスにも繋がるかもしれない有力者だ」「娘も美味しいご飯が食べられるなら喜ぶだろう」。 そして、愛想笑いを浮かべて食事に向かう。心の中で「娘との時間は少し減るけれど、仕方ない。大人には付き合いがあるんだ」と言い訳をしながら。

だが、コヴィーは違った。彼は一瞬の迷いもなく、しかし最大限の敬意を込めてこう言った。 「会えて嬉しいよ。でも今日は遠慮しておく。サンドラと特別なデートの約束があるんだ」

娘の記憶に刻まれた勝利

知人は一瞬驚き、気まずい沈黙が流れたかもしれない。だがコヴィーは動じなかった。彼は友人の期待(Good)よりも、娘との約束(Essential)を選んだのだ。そして娘の手を引き、その場を去った。

結果はどうだったか。友人は去り、コヴィーと娘は二人だけの時間を過ごした。 娘はその瞬間のことを、娘は大人になっても鮮明に覚えていた。「あの時、父にとって私が誰よりも、何よりも大切なんだということがわかった」。そのたった一度の「ノー」が、父娘の絆を永遠のものにしたのだ。

もしコヴィーが流されて食事に行っていたらどうなっていただろう。友人は満足したかもしれない。だが、娘の心には「パパは私よりも仕事や友人を優先する」という小さな、しかし消えない傷(トラウマ)が残っただろう。そしてコヴィー自身も、退屈な社交辞令を交わしながら、心ここにあらずの時間を過ごしたに違いない。

尊敬は、迎合からは生まれない。明確な基準を持って「ノー」と言える人間こそが、周囲から信頼されるのだ。「あの人は自分の時間を大切にしている」「あの人がイエスと言うときは、本気だということだ」。

「引き算」を体現する黒い棒

私たちは一体、誰の人生を生きているのだろうか。上司のため? クライアントのため? それとも、たまたま出会った知人のため? 違うはずだ。私たちには私たちの守るべき「本質」がある。それを守るためには、余計な装飾を削ぎ落とさなければならない。

この「Less but Better(より少なく、しかしより良く)」という哲学を、物理的に体現する道具がある。ドイツ・LAMY社の傑作『LAMY 2000』だ。 1966年に「西暦2000年になっても古びないデザイン」を目指して作られたこのペンには、無駄が一切ない。 4色のボールペンでありながら、色を切り替えるための野暮なレバーは存在しない。重力を利用し、使いたい色のマークを上に向けてノックするだけで芯が出る。つなぎ目すら見えないほど精巧に加工されたボディは、まるで一本の黒い棒のようだ。

「これを買えば、他のペンはいらない」。そう大切に思えるモノをだけを持ち、毎日使う。それこそが、エッセンシャル思考を物理的に所有するということだ。 多機能であればいいというわけではない。八方美人であればいいというわけではない。このペンの黒いボディを握るたび、思い出してほしい。人生のデザインとは、何を足すかではなく、何を引くかで決まるのだということを。

(とカッコよく締めながら、リフィルにジェットストリームの4C規格のもの買い「足す」ことだけは蛇足ながら、オススメしておく。ちなみに緑だけない。)

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