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オリジナリティという病。なぜ「盗む」ことこそが創造なのか【『Steal Like an Artist』1/3】

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「ゼロから生まれる」という幻想を捨てよ

何かを表現しようとする時、私たちは「独創的であらねばならない」という呪いに縛られていないだろうか。誰も見たことのない、完全に新しい何かを作らなければ価値がないと思い込む。だが、『Steal Like an Artist』著者、アーティストのオースティン・クレオンは、冒頭でその幻想を冷徹に否定する。「ゼロから生まれるものなどない。すべてはリミックスだ」。

ビートルズはチャック・ベリーやモータウンのコピーから始まった。ピカソはアフリカ彫刻を模倣した。偉大なクリエイターたちは知っている。人間の脳は、すでにある情報を組み替えることしかできないということを。だから彼らは、誰よりも貪欲に「盗む」。ただし、彼らの盗み方は三流のコピペとは異なる。1人から盗めば盗作だが、100人から盗めばそれは「研究」となる。同氏は問う。あなたは、自分のオリジナリティという小さな殻に閉じこもるあまり、先人という巨人の肩に乗ることを拒否していないだろうか。

自分が食べるもので、自分は作られる

同氏は「Garbage In, Garbage Out(ゴミを入れれば、ゴミしか出てこない)」というコンピュータ用語を引用し、インプットの重要性を説く。私たちの出力の質は、入力の質と量に完全に依存する。素晴らしい音楽を作りたければ、素晴らしい音楽を浴びるほど聴くしかない。

クリエイターの仕事の9割は「収集」だ。自分の感性に響くものを探し出し、ストックする。そのストックが臨界点を超えた時、それらが脳内で化学反応を起こし、新しいアイデアとして溢れ出してくる。つまり、才能とは生まれつきのスペックではなく、「何を選ぶか」というセンスであり、「どれだけ良質なライブラリを持っているか」というアーカイブの問題に他ならない。あなたは今日、何を脳に食べさせただろうか。

「系譜」を遡るという研究

では、具体的に何を盗めばいいのか。同氏は「系譜(Genealogy)」を遡ることを推奨する。あなたが尊敬するヒーローを一人見つけろ。そして、そのヒーローが誰に影響を受けたかを調べろ。さらにその師匠の、そのまた師匠へ。

例えば、あるギタリストが好きなら、彼が影響を受けたブルースマンを聴く。さらに彼が愛したジャズプレイヤーへ遡る。ジョン・メイヤーが好きなら、彼が影響を受けたスティーヴィー・レイ・ヴォーンを聴く。さらに彼が愛したアルバート・キングへ、そしてT-ボーン・ウォーカーへ。この「家系図」を登る旅こそが、あなたの教養となり、表現の深みとなる。表面的なスタイルだけを真似るのではなく、彼らが見ていた景色(ルーツ)を盗むのだ。歴史という文脈の中に自分の身を置くこと。それこそが、薄っぺらい模倣から脱却し、独自の声を獲得する唯一の道ではないだろうか。

ポケットの中に「盗賊の七つ道具」を隠し持て

この「盗む旅」において最も邪魔になるのが、現代社会のノイズだ。地下鉄の騒音やカフェの話し声の中で、先人たちの繊細なニュアンスを盗み取ることは不可能だ。だからこそ私は、インプットの質を極限まで高めるために、『Apple AirPods Pro』を非常におすすめする。

説明はもはや不要だが、この白いイヤホンのノイズキャンセリング機能は、装着した瞬間に世界を「無音」にする。その人工的なまでの静寂の中でこそ、ジョン・メイヤーの指が弦を擦る微かな音や、著者の息遣いまでもが鮮明に浮かび上がる。「Garbage(騒音)」を物理的に遮断し、純粋な「Quality(良質な情報)」だけを脳に流し込む。良いアウトプットを出したいなら、まずは耳を塞げ。そして、自分の脳というスタジオを完全な静寂で満たすことから始めよう。

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