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「服の山」が暴く過去の愚行。片づけとは物理的なショック療法である【『片づけの魔法』2/3】

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魔法ではなく「ショック療法」

近藤麻理恵のベストセラー本『人生がときめく片づけの魔法』。このタイトルを見て、パステルカラーの収納ボックスや、靴下の可愛らしい畳み方を指南する本だと思っているなら、大きな勘違いだ。 これは「魔法」などという生易しいものではない。これは、あなたの過去の愚かな金銭感覚を物理的に可視化し、精神的な平手打ちを食らわせる、極めて論理的で残酷な「ショック療法」の書である。

著者の近藤麻理恵氏は、片づけのスタートにあたり、ある儀式を要求する。「家中のあらゆる収納から、すべての服を床に出し、一箇所に積み上げること」。 引き出しごとではない。ハンガーからも外し、一枚残らず床に放り投げるのだ。

「服の山」というホラー

やってみればわかる。それは、ホラー映画のワンシーンのような光景になる。ベッドの上に積み上がった服の山は、優に自分の身長を超えるだろう。その異様な質量を前にしたとき、多くの人は言葉を失う。「私はこんなに服を持っていたのか?」。

そこにあるのは、単なる衣類の集合体ではない。タグがついたままのスカート、一度も着ていないセール品のシャツ、毛玉だらけのニット。その巨大な「服の山」は、あなたが過去数年間にわたって「安かったから」「何となく」「ストレス発散で」買い集めた、思考停止の残骸だ。 それは、あなたの銀行口座から流出した現金の墓標であり、あなたの判断力の欠如を示す動かぬ証拠である。多くの人が片づけに失敗するのは、引き出しの中という「見えない場所」でちまちまと選別を行うからだ。それでは、自分がどれほどの量を抱え込んでいるかという現実を直視せずに済んでしまう。著者は、一度すべてを白日の下に晒すことで、私たちに「言い逃れ」を許さない。

過去の自分との決別式

この山を前にして、気分の悪くならない人間はいない。だが、その「吐き気」こそが必要なのだ。 二度とこんな無駄遣いはしない。二度と管理できない量を持ち込まない。その強烈な後悔と反省があって初めて、人は「捨てる」という痛みを伴う作業に真剣になれる。

一枚一枚を手に取り、有名な「ときめくか」を問うのはその後の話だ。まずは、床を埋め尽くす「過去の愚行」の山を直視すること。この本が世界中で支持された理由は、東洋的な神秘性ではない。資本主義に踊らされ、モノに窒息しかけていた現代人に、最も物理的でわかりやすい「解毒剤」を提供したからに他ならない。

捨てる行為を「儀式」へ

絶望的なカオスを前にして、一つずつ「不要」と判断し、ゴミ袋へ入れていく。この苦行を終えたとき、あなたは生まれ変わる。 だからこそ、その出口となる「ゴミ箱」には敬意を払うべきだ。

私が愛用する『simplehumanのダストボックス』は、ただのゴミ箱ではない。ステンレスの重厚なボディ、静かに閉まるフタ。その堅牢な美しさは、捨てるという行為を「作業」から神聖な「儀式」へと変えてくれる。 過去の愚行を飲み込み、美しい箱の中に封じ込める。ペダルを踏むたびに、部屋も心も軽くなっていく。そのプロセスの果てにだけ、本当の秩序は訪れるのだ。ただ、今回の記事のテーマの「洋服」を捨てる儀式には向いていなので、そこだけは注意してほしい。

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