BODY
PR

人間は「走る」ためではなく「考える」ために進化した【『GO WILD』1/3】

yworks21@gmail.com
本ページはプロモーションが含まれています

ジムの「ハムスター」になるな

健康のために運動をしようと思い立ち、スポーツジムに入会したとする。空調の効いた部屋で、テレビ画面を見ながら、ベルトコンベアの上をひたすら走り続ける。30分後、カロリー表示を見て満足し、シャワーを浴びて帰る。 確かに、心肺機能には良いだろうし、脂肪も燃えるかもしれない。だが、あなたの「脳」は死んだ目をしているはずだ。なぜなら、その運動は「ハムスターの回し車」と本質的に変わらないからだ。

ジョン J. レイティ博士の著書『GO WILD』によれば、人間は「ただ走る」ために進化したのではない。獲物を追いかけ、天敵から逃げ、新しい土地を開拓するために、「複雑な環境の中を、判断しながら走る」ように設計されている。 景色が変わらず、足場も平坦なランニングマシンでは、脳の最も重要な機能である「ナビゲーション能力」と「予測能力」が完全にオフになったままだ。だから退屈なのだ。

「動き」が脳を巨大化させた

進化論的に見れば、脳は「考えるため」に生まれたのではない。「動くため」に生まれたのだ。原始の海において、ただ漂うだけの生物(ホヤなど)は、成体になり岩に固着した瞬間に自分の脳を食べてしまう。動く必要がなくなれば、エネルギーを食う脳など不要だからだ。 つまり、移動こそが知性の源泉なのである。特に人間の場合、二足歩行で長距離を移動する能力を獲得したことが、脳の巨大化に直結している。

凸凹の地面、滑りやすい泥、飛び出した木の根。これらを瞬時に視覚で捉え、着地位置を計算し、足首の角度を微調整する。この超高速の演算処理こそが、我々の祖先を賢くした。 舗装されたアスファルトや、平らなベルトの上を走るだけでは、この「野生のCPU」は眠ったままだ。現代人が運動しても賢くならないのは、環境があまりにも単純すぎるからである。

トレイル(不整地)という知的遊戯

では、どうすればいいのか。答えはシンプルだ。「不整地(トレイル)」を走ればいい。 近くの裏山でもいい、河川敷の草むらでもいい。とにかく「舗装されていない道」を選んで走るのだ。トレイルランニングは、単なる体力勝負ではない。それは高度な「知的スポーツ」だ。

「あそこの岩は滑りそうだ」「次のカーブの先はどうなっている?」「この段差はジャンプで越えるべきか」。一歩ごとに状況判断を迫られ、脳の前頭前野はフル回転する。 この時、脳内では「BDNF(脳由来神経栄養因子)」という物質が大量に分泌されている。これは別名「脳の肥料」とも呼ばれ、新しい神経細胞(ニューロン)の成長を促す最強の物質だ。森の中を駆け抜けた後の爽快感が、ジムのそれとは別次元なのは気のせいではない。脳が本来の役割を果たし、歓喜している証拠なのだ。

野生を取り戻す「ゼロドロップ」

さあ、ジムを解約して外へ飛び出そう。その時、あなたの相棒になるべきは、クッションで過保護に守られた厚底シューズではない。私が推奨するのは、『ALTRA(アルトラ)』のような「ゼロドロップ(つま先と踵の高さが同じ)」のトレイルシューズだ。

本来、人間は裸足で走るように進化している。踵が高い靴は、アキレス腱を退化させ、着地の衝撃を膝や腰に伝えてしまう。ALTRAを履けば、足裏のセンサーが路面の情報をダイレクトに脳へ伝え、眠っていた身体能力が覚醒する。 自分の足で大地を掴み、風を切って走る。その瞬間、あなたは都市の飼い慣らされた住人から、誇り高き「野生の動物」へと戻っていく。

Recommend
こちらの記事もどうぞ
記事URLをコピーしました