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安価なカロリーが貧困層を襲う。「食品砂漠」という現代の飢餓【『不自然な食卓』5/6】

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水よりも安いコーラ

資本主義の奇妙な逆転現象が起きている。かつて肥満は、飽食を極めた王侯貴族や富裕層の病気だった。しかし現代において、肥満は圧倒的に「貧困層」の問題となっている。理由は単純だ。「体に悪いものほど安い」からだ。

クリス・ヴァン・トゥレケンは著書『不自然な食卓』の中で、驚くべき事実を指摘する。スーパーに行けば、ミネラルウォーターよりもコーラの方が安いことさえあるのだ。

新鮮な野菜や果物、良質な肉は高価で、日持ちもしない。一方で、UPF(超加工食品)は驚くほど安く、腐らず、腹持ち(カロリー)だけは良い。生活に困窮した人々にとって、UPFは「嗜好品」ではなく、生きるための「命綱」にならざるを得ない。限られた予算で家族の空腹を満たすには、1個100円のリンゴではなく、1袋100円で500kcal摂れるスナック菓子を選ぶのが、経済的に「合理的」な選択になってしまう悲しい現実がある。

食品砂漠(フード・デザート)

さらに、物理的なアクセスの問題もある。都心部や特定の地方では、徒歩圏内に生鮮食品を扱うスーパーがなく、あるのはコンビニとファストフード店だけという場所が存在する。これを「食品砂漠(フード・デザート)」と呼ぶ。

そこでは、選択の自由などない。棚に並んでいる工業製品の中から、マシなものを選ぶしかないのだ。巨大食品企業は、こうした地域に集中的に広告を投下し、安価で中毒性の高い商品を供給し続ける。これは構造的な暴力だ。「健康的な食事をしろ」というアドバイスは、こうした環境に住む人々にとっては、マリー・アントワネットの「ケーキを食べればいいじゃない」と同じくらい残酷で、無意味な響きを持つ。

私たちが支払わされる「隠れたコスト」

UPFメーカーは莫大な利益を上げているが、彼らは「真のコスト」を支払っていない。 100円のハンバーガーやスナック菓子が安いのは、その製造コストの一部を、将来の私たちが負担しているからだ。それは「医療費」である。糖尿病、心臓病、癌。UPFが引き起こす慢性疾患の治療には、莫大な税金と保険料が投入される。

企業は利益を私有化し、コスト(健康被害)を社会化している。これは環境汚染と同じ構図だ。工場が川に汚水を垂れ流して利益を上げるように、食品企業は私たちの体内に有害物質を垂れ流して利益を上げ、その後始末を公衆衛生システムに押し付けている。 レジで支払う金額が安くても、私たちは後で、自分の健康と寿命という高い利子をつけて、そのツケを払わされることになる。安さの裏にあるこの不都合な契約に、私たちは気づかなければならない。

「レトルト」という正当な加工

もし、忙しさや環境のせいで料理ができないなら、UPF(カップ麺や冷凍食品)に頼る前に、優れた選択肢が市場にはあることを思い出してほしい。それは「レトルト食品」だ。 私がおススメするのは『NISHIKIYA KITCHEN(ニシキヤキッチン)』のスープやカレーだ。

誤解されがちだが、レトルト(加圧加熱殺菌)技術は、保存料を使わずに長期保存を可能にする優れたテクノロジーだ。UPFとは異なり、ニシキヤキッチンは化学調味料・着色料・香料を一切使用していない。 袋の中に入っているのは、工場で合成された謎の粉末ではなく、シェフが作った「料理」そのものだ。 カップ麺にお湯を注ぐのと、レトルトを湯煎する手間は変わらない。だが、体に入るものは「工業製品」か「料理」かという決定的な違いがある。 自分の身を守るために、賢い「加工」を選び取ろう。それは、食品砂漠で生き残るための現代的なサバイバル術なのだ。

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