砂上の楼閣、砂を輸入する砂漠国の例から
ドバイが「砂」を買う理由
もしあなたがサハラ砂漠の真ん中で立ち往生し、喉が渇いて死にそうな時、目の前に現れた男が「砂を買わないか?」と言ってきたら、間違いなく殴り飛ばすだろう。 だが、世界で最も煌びやかな砂漠の都市、ドバイの建設業者たちは、まさにそれをやっている。彼らは砂漠に囲まれていながら、わざわざオーストラリアやスコットランドから「砂」を輸入しているのだ。
なぜか? 答えは単純で、かつ絶望的だ。 砂漠の砂は、使い物にならないからである。
「丸い」か「角ばっている」か
砂漠の砂は、何千年もの間、風に吹かれて転がり続けてきた。その結果、粒子はビー玉のようにまん丸に磨耗している。 これをセメントに混ぜても、粒子同士が噛み合わず、固まらない。砂漠の砂で作ったコンクリートは、乾いた砂上の城のように脆く崩れ去る。
我々がビルを建て、道路を舗装し、ガラスを作るために必要なのは、川底や海底にある「角ばった砂」だ。 ギザギザした粒子が互いに食い込むことで、初めて摩天楼を支える強度が生まれる。 つまり、人類は「星の数ほどある砂」のほんの一部、水辺にある特定の砂だけを奪い合っているわけだ。
60億トンの争奪戦
私たちは毎年、約500億トンもの砂や砂利を地球から掘り起こしている。これは、自然の川が運ぶ土砂の量の24倍に達する。 人類は今や、自然界の浸食作用よりも遥かに強力な「地質学的営力」となってしまった。
その結果、何が起きているか。 インドでは「砂マフィア」が暗躍し、川砂を盗掘するために邪魔者を殺害している。ベトナムのメコンデルタは、建設ラッシュによる砂の乱掘で地盤沈下し、海に沈みつつある。 「たかが砂」と笑ってはいられない。あなたの住むマンションも、スマホの画面(ガラス)も、この血生臭い争奪戦の戦利品でできているのだ。
今日のコツ:足元の「宝石」を知る
次にビーチを歩く時、あるいはコンクリートの壁に触れる時、少しだけ敬意を払ってみよう。 それは単なる「地面」ではない。長い時間をかけて岩が砕け、川に洗われ、運良く「角ばった形」を留めた、奇跡的な粒子の集合体だ。
私たちは、水と同様に、砂もまた「無限のリソース」ではないことを知るべきだ。 このありふれた粒が尽きた時、私たちの文明は文字通り、砂のように崩れ落ちるのだから。
