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あなたの葬儀の最前列には誰が座るのか【『The 5 Types of Wealth』3/6】

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あなたの葬儀の最前列には誰が座るのか

大切な人たちに囲まれて送られる人生を想像する時、そこにはどんな顔ぶれが並んでいるか、深く考えたことはあるだろうか。『The 5 Types of Wealth』著者で作家・起業家・投資家のサヒル・ブルームは、私たちが人生で本当に価値を置くべきものについて問いかけている。

同氏は、多くの人が金銭的な成功ばかりを追い求めがちだが、真の豊かさは人間関係の質にあると説く。この記事では、私たちの人生の幸福度を決定づける「ソーシャル・ウェルス(人間関係の豊かさ)」の重要性を、具体的な研究や事例を通して掘り下げていく。

幸福の最も重要な予測因子は「人間関係の質」

1938年、マサチューセッツ州ボストンで二つの研究が始まった。一つはハーバード大学の学生を、もう一つは貧困地区の少年たちを追跡したものだ。この研究は、724人のオリジナル参加者と、その1,300人以上の男性および女性の子孫の人生を80年以上にわたり追跡し、ハーバード成人発達研究として知られるようになった。

ハーバード成人発達研究が明らかにした最も重要な結論は、人生の幸福と健康の重要な予測因子は人間関係の質であるというものだ。50歳時点での人間関係の満足度が高い人は、80歳になった時に最も健康であるという結果が出ている。これはコレステロール値よりも強い予測因子だったのだ。同研究の現在のディレクターであるロバート・ウォルディンガーは、「体を大切にすることは重要だが、人間関係を育むことも一種のセルフケアである」と述べている。

社会の富を築く「3つの柱」

ソーシャル・ウェルスは、人間関係の深さと広がり、そして「獲得されたステータス」という3つの柱で成り立っている。

第一の柱は「深さ」であり、これは親密な少数の人々と築く、深く意味のある永続的な絆である。人生の最高の喜びも深い悲しみも分かち合えるフロントロー・ピープル(最前列に座る人々)との関係は、揺るぎない精神的な支えとなるだろう。

第二の柱は「広さ」であり、これは友人関係やコミュニティ、あるいは宗教的・文化的基盤を通じた、より広い範囲の人々とのつながりを意味する。新しい出会いや多様な交流、そしてより大きなものへの帰属意識は、人生に豊かな色彩とサポートを加える。

第三の柱は「獲得されたステータス」であり、これは金銭で買える一時的なものとは異なり、自由な時間の使い方、愛情豊かな家族関係、目的意識のある仕事、健全な心と体、長年の努力で得た知恵などから生まれる、周囲からの永続的な尊敬、称賛、信頼のことである。

人間関係を豊かにする「見極め」と「時間の有限性」

ソーシャル・ウェルスを築く上で、周囲の人間関係を注意深く見極めることは非常に重要である。

同氏は、私たちのカレンダーに存在する活動や人物を「エネルギーを与えてくれるもの」「ニュートラルなもの」「エネルギーを奪うもの」に色分けする「エネルギー・カレンダー」を提唱している。この考え方を人間関係にも応用し、エネルギーを与えてくれる人との関係を深め、奪う人からは距離を置くことが心身の健康につながるだろう。

人間関係の健全性を測る一つの方法として、同著では関係性を「協力的」「相反的」「侮辱的」の三つに分類し、頻度と合わせてマッピングする「リレーションシップ・マップ」が提唱されている。このマップを活用することで、どの関係にエネルギーを注ぐべきか、あるいは距離を置くべきかを客観的に判断できるだろう。

また、同氏は、子供、親、パートナー、友人、同僚といった大切な人たちとの時間の有限性を直視する必要があると述べる。

一般的に、親や兄弟との時間は子供時代に多くを占めるものの、年齢を重ねるにつれて減少傾向にあることが指摘される。子供との時間は幼少期が最も多く、友人との時間も若年期に活発となるが、その後は変化していくことが示唆されている。

愛する人との時間は、私たちが思うよりもはるかに短い。この厳然たる現実を直視し、今ある時間を大切にすることが、後悔のない豊かな人生を送る鍵となるだろう。

キャリアの成功より「人間関係の質」が人生を豊かにする

金銭的な成功やキャリアの階段を駆け上がることだけが人生の目標ではないと、サヒル・ブルームは説く。同氏の言葉は、私たちが日々の生活の中で見過ごしがちな真の豊かさ、つまり人間関係の質こそが、人生の満足度を最も強く予測するというハーバード成人発達研究の結論と深く共鳴している。

家族や友人との深い絆、協力的なネットワーク、そしてコミュニティへの帰属意識を築くことは、精神的にも肉体的にも健全な生活を送る上で不可欠である。そうした視点を持つための補助線として、『グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない』(ロバート・ウォルディンガー著)を手に取ってみてはどうだろうか。80年以上にわたる壮大な研究が明らかにした幸福の真髄を学ぶことで、あなたの人生をより豊かにするヒントが得られるはずだ。

Kの視点

本書の柱になっているハーバード成人発達研究は、たしかに「人間関係こそ最強の幸福予測因子」を示した重要研究だが、原書はその対象集団の偏りに踏み込まない。1938年開始の最初の724人は全員白人男性で、ハーバード学部生コホートと貧困地区少年コホートで構成され、女性・有色人種・LGBTQは長らく含まれなかった。「家族と長期の友情が幸福の鍵」という結論は、それらの集団に対して20世紀前半の米国社会が許した関係性が前提となっており、孤独や非典型的なライフコースを生きる層への一般化には注意が要る。

「葬儀の最前列」というフレームも、原書独自の発見というより、スティーブン・コヴィー『7つの習慣』の第二の習慣「終わりを思い描くことから始める」(自分の葬儀の弔辞を想像せよ)の派生バージョンとして読める。これは批判ではないが、本書を読んで衝撃を受けた読者には、コヴィーの古典に戻ってオリジナルの思考実験に触れる価値を勧めたい。

日本市場の角度からは留保が必要だ。日本では単身世帯が全世帯の約3割、孤独死問題が政策アジェンダ化されており、「広さ」を提供してきた地域共同体・終身雇用・親族ネットワークがすでに崩壊している。本書が前提とする「広さは持っている、あとは深さを取りに行け」という米国エリートの状況設定は、日本の標準的読者には反転している。日本人読者にとっての先決はむしろ「広さの再構築」──地域の趣味コミュニティ、宗教的儀礼、職場以外の弱いつながり──であり、本書を読むなら章順を入れ替えて「広さ」から取り組むほうが現実的だろう。 — K

『The 5 Types of Wealth』シリーズ(全6回)

お金だけが富ではない——5つの富という新しい人生の地図【『The 5 Types of Wealth』1/6】
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父と過ごせる回数を数えたことがあるか【『The 5 Types of Wealth』2/6】
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あなたの葬儀の最前列には誰が座るのか【『The 5 Types of Wealth』3/6】
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