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毎日同じペースで働き続けるという幻想【『SLOW 仕事の減らし方』2/3】

kotukatu
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毎日同じペースで働き続けることは可能なのか

私たちは平日であれば、月曜から金曜まで、毎日同じように一定の時間を全力で働き続けることがプロフェッショナルとしての当然の義務だと信じ込んでいる。朝は同じ時間に出社し、あるいはパソコンを立ち上げ、夕方の終業時刻まで変わらない処理能力でタスクをこなし続ける。効率よく成果を上げようとするビジネスパーソンほど、自分の集中力や生産性を機械の稼働率のように捉え、常に一定の高いパフォーマンスを維持しようと自分を厳しく鞭打っている。

しかし、どれほど気合を入れても、午後になれば頭がぼんやりとし、金曜日には疲労で全く思考が働かなくなる経験は誰にでもあるはずだ。私たちはそのパフォーマンスの低下を、自分の集中力不足や自己管理の甘さだと自己非難してしまう。果たして、人間の脳はそもそも毎日同じペースで、年間を通じて一定の出力を出し続けるように設計されているのだろうか。

知識労働は工場のようには稼働しない

『SLOW 仕事の減らし方』著者でジョージタウン大学教授のカル・ニューポートは、私たちが当たり前のように受け入れているこの一定ペースでの働き方が、工場での肉体労働をモデルにした産業革命時代の古い遺物であると指摘している。組み立てラインの機械であれば、電源が入っている限り毎日同じ速度で同じ量の製品を作り出すことができる。しかし、複雑な思考や創造性を要求される現代の知識労働において、人間の脳を機械と同じように扱うことは根本的な間違いなのだ。

そして同氏によれば、真に価値のある知識労働を成し遂げるためには、常に全力で走り続けるのではなく、自然なペースで働くことが不可欠である。それは、激しく集中して成果を生み出す時期と、思考を休ませてエネルギーを蓄える時期を交互に繰り返すという、人間本来のバイオリズムに寄り添った働き方である。常に高い出力を求め続けることは、脳を確実に疲弊させ、最終的には燃え尽き症候群という形でシステム全体を強制終了させてしまうのである。

季節やエネルギーの波に逆らわずに働く

偉大な成果を残した歴史上の人物たちも、決して毎日一定のペースで働き続けていたわけではない。科学者のマリー・キュリーも、大発見の直前に家族とともにパリを離れ、フランスの田舎で長期休暇を取っていた。猛烈に研究に没頭する時期があったかと思えば、意図的に仕事から距離を置く時期を設けていたのである。自らのエネルギーの波や季節の移り変わりに逆らうことなく、知的な探求には休息と回復のサイクルが不可欠であることを本能的に理解していたのだ。

現代のビジネス環境において、何ヶ月も休暇を取ることは現実的ではないかもしれない。しかし、一日の中で深く集中する数時間と全く何もしない時間を明確に分けることや、大きなプロジェクトが終わった後に数日間の意図的な緩やかな期間を設けることは可能なはずだ。自分のエネルギーの波を感じたときに、無理にカフェインで気力を絞り出すのではなく、今は休息のサイクルなのだと受け入れ、意図的にペースを落とす勇気を持つことが重要なのである。

自分だけの自然なリズムを取り戻せるか

あなたが毎日一定のペースで働き続けられないと悩んでいるその理由は、決してあなたの能力が低いからではない。人間の脳を工場の機械のように扱おうとする、現代の働き方のシステムそのものが不自然に歪んでいるからである。私たちが長期にわたって質の高い成果を生み出し続けるためには、毎日八時間全力で働くという幻想をきっぱりと捨て去り、自らのエネルギーの波を受け入れ、自然なペースで働くというマインドセットの転換が不可欠である。

自らのエネルギーの波を科学的に理解し、集中と回復のサイクルを最適化するための実践的な指針として、鈴木祐の『最高の体調』へと手を伸ばしてみてはどうだろうか。自然なペースを取り戻したとき、あなたの仕事の質は驚くほど深く豊かなものへと変わっていくはずだ。

『SLOW 仕事の減らし方』シリーズ (全3回)

忙しいフリが才能を潰す【『SLOW 仕事の減らし方』1/3】
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